清瀬市の概要
清瀬市は東京都北部に位置し、東京都の東久留米市や東村山市、埼玉県の所沢市や新座市と隣接しています。
面積は約10.23平方キロメートルで、東京都内62個の市区町村のうち、53位に位置する比較的小規模な都市です。
水と緑に恵まれた豊かな自然環境と、結核療養地としての歴史的背景から多くの大規模病院が存在することが清瀬市の特徴です。
清瀬市の人口推移
清瀬市の総人口は、2018年までは増加傾向でしたが、2019年に108人減っており、それ以降も停滞または減少傾向にあります。
これは死亡数の増加と出生数の減少が主な原因であり、清瀬市の大きな課題のひとつになっています。
隣接する市との比較
本章では、清瀬市の人口動向をより深く理解するために、清瀬市と隣接する市を比較します。人口増減率と年齢別人口比率を比較し、清瀬市の位置づけを詳しく見ていきます。
人口増減率を比較
清瀬市の人口増減率は他市と比較して変動が激しい傾向にあります。
2018年や2021年には顕著な人口増を記録している一方で、2020年や2023年には他の市に比べて著しい人口減を経験しています。特に最近2年間の人口減少は、清瀬市が直面している人口課題の深刻さを浮き彫りにしています。
東村山市は、2020年から2023年にかけて一貫して人口が増加しており、隣接する市の中で最も安定した成長を示しています。これに対し、東久留米市と新座市も全体的にポジティブな傾向が見られ、所沢市はわずかながらも減少傾向が続いています。
年齢別人口比率を比較
各市を年齢層別に見ると、若年層(0〜34歳)の割合が全体的に低く、少子化の傾向が顕著です。
各市の差はほとんどありませんが、中年層(35〜64歳)において清瀬市は隣接する市に比べて比率が最も低く、高齢化対策と若年層の流出防止が今後の課題であることを示唆しています。
清瀬市の人口課題
清瀬市の人口課題のひとつは『自然減(死亡数が出生数より多い状態)』です。自然減は、高齢化が進む中で特に問題となる現象であり、清瀬市もその例外ではありません。
2015年から2023年にかけての統計データを見ると、清瀬市の出生数は年々減少しており、一方で死亡数は増加傾向にあります。このため、自然減により、将来的にはますます人口が減少する可能性が高いです。
市政の取り組み
清瀬市は、『清瀬市まち・ひと・しごと創生総合戦略(改訂版)』にて、自然減の拡大、低い合計特殊出生率、20代から30代の大きな転出傾向が市の課題であると認識し、「20代から30代の若い世代が清瀬に暮らし続け、結婚・出産・子育ての希望がかなえられるまちづくり」を目指して取り組んでいます。
具体的には、『第4次清瀬市長期総合計画』で施策を掲げ、以下の目標に向けて推進しています。
施策3.1.1)母子の健康づくりの支援 | ||
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指標名 | 現状値 (2022年度) | 目標値 (2025年度) |
こんにちは赤ちゃん事業(全戸訪問)の訪問率 | 94.6% | 99.6% |
乳幼児検診の受診率 | 96.7% | 98.0% |
産後、退院してからの1か月程度、助産師や保健師などから指導・ケアを十分に受けることができたと思う人の割合 | 78.8% | 93.5% |
施策3.1.2)子育ての支援 | ||
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指標名 | 現状値 (2022年度) | 目標値 (2025年度) |
保育園の待機児童数 | 4人 | 0人 |
この地域で今後も子育てをしていきたいと思う人の割合 | 92.8% | 97.0% |
子育てについて相談をする相手や場所がいる(ある)人の割合 | 99.9% | 100.0% |
おわりに
本記事では、清瀬市の現在の人口動向と直面している課題について深く掘り下げました。清瀬市の人口は減少傾向にあり、特に自然減と若年層の流出が大きな問題として浮かび上がっています。
市政の取り組みを見ると、清瀬市はこれらの課題に対して積極的な施策を展開しており、若年層の定着と出生率の向上を目指しています。これらの施策が今後どのように効果を発揮するか、期待したいところです。