空堀川と中里緑地保全地域
清瀬市の東端・中里エリアに広がる「空堀川と中里緑地保全地域」は、都市近郊に残る貴重な自然環境が体感できるスポットで、「清瀬10景」にも指定されています。
柳瀬川沿いに整備された全長約4.5kmの散策ルート「柳瀬川回廊」の起終点にも位置しており、清瀬の自然と水辺の魅力を楽しめる場所として、散策や自然観察に人気があります。
空堀川とは?

空堀川は、東京都武蔵村山市の狭山丘陵を水源とし、清瀬市中里のくるまや橋付近で柳瀬川と合流、最終的に荒川へと注ぐ河川です。
国土交通大臣により「特に重要な水系」として一級河川に指定されています。

①空堀川の汚水問題
雨天時にのみ水が流れる「涸れ川(かれがわ)」の性格を持っていましたが、高度経済成長期に急速な宅地開発が進み、生活排水や工業排水が流入するようになりました。その結果、悪臭を放つ「開放下水」のような状態に陥りました。
その後、下水処理施設の整備や生活排水の流入抑制により、水質は徐々に改善され、現在ではかつてのような汚濁は大きく解消されています。
②空堀川の洪水問題
もう一つの課題が洪水対策です。かつての空堀川は蛇行が多く、川幅も狭かったため、大雨時には氾濫の危険がありました。
これに対応するため、長期にわたって河川改修が進められており、川幅の拡張、蛇行区間の直線化、河床の掘削などが行われています。
これらの改修により、上流部で降った雨が短時間で下流の柳瀬川へ流れやすくなり、一定の治水効果が見られるようになりました。ただし、2025年現在も洪水対策の工事は引き続き実施されています。
中里緑地保全地域とは?

中里緑地保全地域は、清瀬市中里にある緑地で、武蔵野の自然環境と地域住民の生活環境を守るため、東京都により「緑地保全地域」に指定されています。
園内にはクヌギやコナラなどの落葉広葉樹が多く、四季折々の自然を感じながら歩ける散策路が整備されています。野鳥や昆虫、小動物の姿も見られ、身近な自然観察の場として親しまれています。
また、無秩序な市街地化を抑えるだけでなく、ヒートアイランド現象の緩和や雨水の浸透促進など、都市環境の保全にも貢献しています。静かな環境に包まれたこの緑地は、地域住民にとって貴重な憩いの場となっています。
アクセス
〒204-0003
東京都清瀬市中里2丁目1586−8
※中里緑地保全地域(A地区)の所在地
西武池袋線 秋津駅から徒歩10分
西武池袋線 清瀬駅から徒歩25分
景観と実際に行ってみた感想
行ってみた感想は「柳瀬川回廊レポート」にて。

