【清瀬市中清戸】日枝神社と水天宮(清瀬10景)|御祭神に祈る安産と厄除け

地域ガイド
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清瀬市の観光名所「日枝神社」と「水天宮」は、同じ敷地内に隣り合わせて鎮座する珍しい神社です。

歴史的価値や文化財としての重要性も高く、清瀬10景にも選ばれています。

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日枝神社・水天宮とは?

概要

日枝神社・水天宮は、清瀬市中清戸にある神社で、同じ敷地内に2つの神社が並んで鎮座する珍しい配置となっています。

日枝神社が先に創建され、その後、水天宮が摂末社(本殿の御祭神にゆかりのある神様を祀る小さな社)の一つとして祀られました。日枝神社の境内には、水天宮のほかにも御嶽神社、八雲神社、琴平神社、白山社が祀られています。

なかでも水天宮は、他の摂末社とは異なり、日枝神社と同等の扱いを受けており、専用の鳥居や参道が設けられています。そのため、「日枝神社・水天宮」という名称でも広く知られ、公式な案内でも両神社が並び立つ形で紹介されています。

また、御嶽神社も他の摂末社に比べて特別な扱いを受けており、専用の鳥居を有するなど、その存在感を示しています。

清瀬10景のひとつ

清瀬10景は、1990年(平成2年)の市制施行20周年を記念して設立され、市民投票と選定委員会によって清瀬市の代表的な景勝地が選ばれました。その中の一つが日枝神社・水天宮です。

日枝神社の本殿や不動明王立像、三猿の石灯篭は清瀬市の指定有形文化財、毎年境内で行われる清戸の獅子舞は無形民俗文化財に指定されていることからも、その文化的価値が高いことが分かります。

<清瀬10景 一覧>

  1. けやき通りと郷土博物館
  2. 志木街道
  3. 東京病院の桜の園と社会事業大学付近
  4. 清瀬金山緑地公園
  5. 柳瀬川とさくら並木
  6. 空堀川と中里緑地保全地域
  7. 松山緑地保全地域
  8. 日枝神社・水天宮
  9. 中里富士塚
  10. 円通寺

▼清瀬10景をすべて紹介▼

アクセス

〒204-0012
東京都清瀬市中清戸2丁目616−2

<車でのアクセス>
清瀬駅から6分
駐車場あり(最大100台)

<公共交通機関でのアクセス>
清瀬駅から徒歩15分

清瀬駅北口3番のりば/西武バス(清63)から
けやき通り/西武バスまで約2分
そこから徒歩7分

清瀬駅北口3番のりば/西武バス(清64)から
水天宮前(東京)/西武バスまで約2分
そこから徒歩3分

日枝神社(ひえじんじゃ)について

起源と歴史

清瀬市の日枝神社は、1579年(天正7年)に中島筑後守信尚によって創建されたと伝えられています。

その起源は、神仏習合の時代にさかのぼります。

滋賀県の比叡山の麓にある日吉大社では、大山咋神(おおやまくいのかみ)を主祭神として祀っていました。

その後、この地に天台宗の総本山である延暦寺が創建され、守護神として大山咋神を含む日吉大社の神々(山王権現)が崇拝されました。

天台宗の教えや寺院が全国に広がるとともに、寺院の守護神を祀る山王社も各地に創建され、この流れの中で清瀬の地にも山王社が勧請されたとされています。

明治時代に入ると、神仏分離令によって神道と仏教が分けられ、山王権現の名は廃され、社名は「日枝神社」となりました。御祭神も大山咋神に統一され、現在に至っています。

御祭神と御利益

大山咋神(おおやまくいのかみ)

【御利益】
農業守護、醸造守護、厄除けなど

名前の「咋(くい)」は杭のことで、大山に杭を打つ神、すなわち大きな山の所有者の神を意味し、比叡山や松尾山の地主神とされています。

大己貴神(おおなむちのかみ)

【御利益】
縁結び、病気平癒・交通・航海守護、商売繁昌・五穀豊穣など

大己貴神は、大国主(おおくにぬし)の別名で知られており、他にも数多くの別名を持ちます。多くの妻子を持つことから縁結びの神様として有名ですが、国づくりや医療の普及など、数多くの逸話があり、御利益の多い神様です。

水天宮(すいてんぐう)について

起源と歴史

清瀬市の水天宮の総本宮は、福岡県久留米市にある水天宮で、1650年(慶安3年)に2代目久留米藩主・有馬忠頼によって創建されました。

清瀬市の水天宮は、この総本宮の御祭神を分霊して祀ったものです。

明治時代に、村人たちが安産守護を願って創建したと伝えられていますが、正確な創建時期は明らかになっていません。

ちなみに、東京都の水天宮は、1818年(文政元年)に9代目久留米藩主・有馬頼徳が参勤交代で江戸に長期滞在する際、江戸の芝赤羽町(現在の港区三田一丁目)にあった久留米藩邸内に、総本宮の御祭神を分祀したのが始まりとされています。

御祭神と御利益

安徳天皇(あんとくてんのう)

【御利益】
安産、子授けなど

安徳天皇は、1180年(治承4年)に第81代天皇として即位しました。当時の年齢は満1歳(数え3歳)であり、歴代最年少の即位です。即位から5年後の壇ノ浦の戦いで源氏に敗れ、満6歳で入水自殺しました。死後の安徳天皇は、水の神・安産の神として各地の神社に祀られています。

住吉三神(すみよしさんじん)

【御利益】
海上安全、漁業守護、貿易守護など

住吉三神とは、底筒男神(そこつつおのかみ)、表筒男神(うわつつおのかみ)、中筒男神(なかつつおのかみ)の総称で、航海を守護する海の神です。住吉三神は、黄泉の国から逃げ帰ったイザナギが黄泉の国の穢れを洗い清める「禊」を行った際に生まれました。

日枝神社・水天宮の豆知識

清戸の獅子舞(伝統行事)

清戸の獅子舞は、日枝神社・水天宮の境内で毎年行われる、五穀豊穣、厄除けの祭りです。

山の神が行列の先頭を舞いながら進み女獅子・中獅子・大獅子が太鼓をたたきながら笛の音に合わせて練り歩き、社殿の前で舞を踊ります。

日本の獅子舞は「伎楽系(西日本)」「風流系(東日本)」の2系統に大別され、清瀬市の獅子舞は1人が1匹の獅子を演じる「風流系(東日本)」に属します。

▼『清戸の獅子舞』の詳細はこちら▼

ひいらぎ伝説(地名の由来)

ひいらぎ伝説は日枝神社境内にあった大きなひいらぎの木に関する伝説で、清瀬の名に関係しています。清瀬の名は「清戸」と「柳瀬川」に由来するとされていますが、ひいらぎ伝説は「清戸」という地名に関わっています。

大昔、ヤマトタケルが東北への遠征に向かう途中、清瀬の地を通った際に大きなひいらぎの木の下でお休みになったそうです。

そのとき、なにげなく足元の土を手にとって、「清き土なり」といったそうで、これが「清戸(清土)」の由来とされています。

ヤマトタケルは、景行天皇12年出生、景行天皇41年死去とされているため、当時は日枝神社(1579年創建)はなかったと思われます。

神社、大社、神宮、宮の違い

①神社と大社の違い

神社は、日本古来の神様を祀る一般的な施設のことです。

大社は、全国にある神社の総本社や格付けが高い神社のことです。例えば、日吉大社は、全国にある分霊社(日枝神社や日吉神社)の総本社なので、大社の社号が付けられています。

②神宮と宮の違い

神宮は、天皇・皇室祖先神・神器を祀っています。

宮は、神宮より格式は下がり、皇室に関係する神様、身分の高い人や皇族などが祀られています。ただし例外もあり、水天宮の場合は安徳天皇を祀っているので神宮に該当する気がします。

境内にある建物

事前に境内にどんな建物があり、どんな役割を果たしているのかを知っていれば、より楽しく境内を回れると思います。

ここでは日枝神社・水天宮の境内の建物を紹介します。

境内マップ
  • 本殿(ほんでん)と拝殿(はいでん)
    本殿は神様がいらっしゃる建物、拝殿は参拝者がお参りをする建物のことです。
  • 節末社(せつまつしゃ)
    摂末社は、本殿の御祭神に所縁のある神様や地主神などを祀っている小さな社です。
    日枝神社・水天宮の境内には、摂末社として御嶽神社・八雲神社・琴平神社・白山社があります。
  • 鳥居(とりい)
    鳥居は、神社の内側の神聖な場所(神域)と外側の人間の暮らす場所(俗界)の境界を表しています。
    日枝神社・水天宮には、日枝神社と水天宮の御本殿に向かう入口にそれぞれ1つずつ、その他に駐車場からの入口や御獄神社に向かう入口にも1つずつ設けられています。
  • 手水舎(ちょうずや)
    手水舎は、拝殿へ参拝に行く前に身の穢れを清める場所です。
    一般的には「ちょうずや」と読みますが、「ちょうずしゃ」「ちょうずしゃ」「てみずや」「てみずしゃ」など様々な読み方がされています。
  • 社務所(しゃむしょ)と授与所(じゅよしょ)
    社務所は、社務すなわち神社の事務を行う場所です。授与所は、参拝者がお守りなどを頂ける場所です。
  • 車祓所(くるまばらいしょ)
    車とドライバーが穢れをお祓いして交通安全を祈願する場所です。
  • 御神木(ごしんぼく)
    「特別に神聖視される樹木」のことを指します。日枝神社・水天宮の御神木であるスギの木は、清瀬市指定天然記念物の他、清瀬の名木・巨木百選にも選ばれています。
  • 宝物庫(ほうもつこ)
    宝物庫は、その名の通り、数々の文化財指定品や祭祀遺物等を保存する建物です。一般展覧している施設もあります。

景観と実際に行ってみた感想

家から近いですが、他にも用事があったので車でいきました!

駐車場は横に広いタイプで、駐車に困ることはなさそうです。

ちゃんと日枝神社用の鳥居、水天宮用の鳥居がありますが、今回は駐車場前の鳥居から入りました(笑)

鳥居を抜けると車祓所と御嶽神社がありました。

さらに先には水天宮と日枝神社があります。どちらで参拝するか迷いますね(笑)

実際の滞在時間的には5〜10分程度。

歴史と自然が調和する日枝神社・水天宮は、清瀬散策の立ち寄りスポットとしてもおすすめです。ぜひ一度足を運んでみてください。

▼清瀬10景:金山緑地公園の詳細はこちら▼

▼清瀬10景:中里富士塚の詳細はこちら▼

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