清瀬市の成長戦略:引越しニーズを分析して転入増加を促進する

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清瀬市について
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本記事では、清瀬市の成長戦略を探るために、市の魅力と課題を引越しニーズの観点から分析します。

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近隣駅より魅力ある駅を目指す

最優先は外部からの転入増加

清瀬市の人口を増やすために、出生率を上げて内部から人口を増やすことは確かに大事です。

しかし、それ以上に外部からの転入者を増やすことの方が遥かに優先だと考えます。

なぜなら、今の少ない人口で出生率を上げるより、先に外部から人を集めた方が、分母が大きくなって出生率向上による効果が高くなるからです。

競合は西武池袋線の近隣駅

不動産情報サイト SUUMOの調査によると、引越しのきっかけは「入学・入社・転職などのライブイベントの節目」が多いことがわかります。

家探し重視項目は、1位が「家賃」、2位が「最寄駅からの時間」、3位が「通勤・通学時間」、4位が「路線・駅やエリア」となっています。

これらを踏まえると、「勤務先・学校に通いやすい場所」を求めていることが分かります。

多くの人が電車で通勤・通学していると考えると、清瀬市のライバルは西武池袋線の近隣駅となります。

そこで清瀬市の比較対象を所沢市(所沢駅)・東村山市(秋津駅)・東久留米市(東久留米駅)として、清瀬市に足りない項目を分析していきます。

各市(駅)の実力を確認

分析に入る前に、まずは各市(駅)の実力を確認してます。

確認方法は正直悩みました。

人口は市の規模によって異なります。それなら人口増減率で見るのが良いかなとも思いましたが、人口増減率は飽和状態だと落ち着いてきてしまいます。

今回は複数サイトの「住みやすい街」というテーマのアンケート結果から総合的に判断することにしました。意外とサイトが見つからないので同サイトでアンケート内容が違うものも選定しています。

各サイトごとに、評価が高い順に4〜1の点数を付けていき、それらを加算して総合点数とします。

市名(駅名)ランキング順位
清瀬市(清瀬駅)7位
所沢市(所沢駅)3位
東村山市(秋津駅)12位
東久留米市(東久留米駅)6位
ねとらぼ調査隊:「西武池袋線」住みやすいと思う駅ランキングTOP31
市名(駅名)ランキング順位
清瀬市(清瀬駅)3位
所沢市(所沢駅)5位
東村山市(秋津駅)16位
東久留米市(東久留米駅)1位
ねとらぼ調査隊:【西武池袋線】ファミリーにおすすめな街ランキング
市名(駅名)ランキング順位
清瀬市(清瀬駅)14位
所沢市(所沢駅)5位
東村山市(秋津駅)13位
東久留米市(東久留米駅)15位
おうちパレット:【1都3県在住の男女500人に聞いた】西武池袋線沿線で住みたいと思う街ランキング!

総合点数は以下の結果となりました。

  1. 所沢市(所沢駅) 10点
  2. 東久留米市(東久留米駅) 8点
  3. 清瀬市(清瀬駅) 7点
  4. 東村山市(秋津駅) 5点

清瀬市に足りない項目を分析

さて、外部からの転入を促進するために清瀬市に何が足りないのか、近隣市と相対比較しつつ分析していきます。

引越しニーズの調査

まずは転入者のニーズ、つまり引越しニーズを調査しました。

厚生労働省の調査によると、三大都市圏周辺部の「転居時の重視項目」は以下の順序のようです。

  1. 交通利便性の良さ
  2. 物件の良さ
  3. 医療・福祉環境の充実
  4. 治安の良さ
  5. 自然環境の良さ
  6. 商業施設の充実
  7. 行政サービスの水準の高さ
  8. 地域・街のイメージの良さ
  9. 子育て環境

引越しニーズの各項目に対する評価

前述した「転居時の重視項目」に対して、各市を比較していきます。少し長くなるので章立てして見ていきましょう。

1. 交通利便性の良さ

順位市名(駅名)
1位所沢市(所沢駅)
2位東久留米市(東久留米駅)
3位東村山市(秋津駅)
4位清瀬市(清瀬駅)

交通利便性については、車と公共交通機関(電車)などがあると思いますが、「勤務先・学校に通いやすい場所」を求めている引越しニーズを分析しているので、公共交通機関(電車)の利便性に絞って評価しました。

所沢駅は、西武池袋線がすべて(特急〜各駅停車)停まり、西武新宿線に乗り換え可能なので文句なく1位としました。

東久留米駅と秋津駅は迷いましたが、都心への近さと通勤急行の停車駅であることを考慮して東久留米駅を2位としました。

2. 物件の良さ

順位市名(駅名)
1位所沢市(所沢駅)
2位清瀬市(清瀬駅)
3位東久留米市(東久留米駅)
4位東村山市(東村山駅)

ライフルホームズにて、2023年1月~3月に掲載された賃貸物件の問い合わせ件数から算出した「西武池袋線」人気駅ランキング”TOP7″【2023年 賃貸編】を開示しており、それによると所沢駅と清瀬駅はそれぞれ2位と5位にランクインしています。

したがって物件の良さについては所沢駅と清瀬駅をトップ2としました。

残り2駅の評価方法は迷いましたが、明確に優劣をつける情報が見つからなかったので同率3位としました。

3. 医療・福祉環境の充実

順位市名(駅名)
1位所沢市(所沢駅)
2位東村山市(東村山駅)
3位清瀬市(清瀬駅)
4位東久留米市(東久留米駅)

医療・福祉環境の充実については、生活ガイド.comの以下の情報(2024年2月時点)から総合的に判断しました。

  • 一般診療所総数
  • 人口1万人あたりの一般病床数
  • 小児人口1万人あたりの小児科医師数
  • 65歳以上人口100人あたりの老人ホーム定員数

所沢市と東村山市は同率1位としました。

所沢市は一般診療所総数や老人ホーム定員数が多く、一方で東村山市は全体のバランスが良い傾向にありました。

一般診療所総数は市の規模によって異なるので評価基準として不適切と考える人もいると思いますが、一般診療所の数が多いほど受診先の選択肢が増えるため、今回は評価基準に入れました。

ちなみに清瀬市は人口あたりの一般病床数が圧倒的に多かったです。結核のまち清瀬市の特徴ですね。

4. 治安の良さ

順位市名(駅名)
1位東村山市(秋津駅)
2位東久留米市(東久留米駅)
3位清瀬市(清瀬駅)
4位所沢市(所沢駅)

治安の良さは、令和3年の犯罪率(人口1,000人あたりの犯罪認知件数)で順位付けしました。

1位の東村山市は3.79、2位の東久留米市が3.97、3位の清瀬市は4.06、4位の所沢市が4.85でした。

全国平均は4.5なので、所沢市のみ全国平均より少し高い状態です。栄えている分、(特にプロペ通りなどは)治安も悪いという感じでしょうか。

5. 自然環境の良さ

順位市名(駅名)
1位所沢市(所沢駅)
2位清瀬市(清瀬駅)
3位東久留米市(東久留米駅)
4位東村山市(秋津駅)

自然環境の良さは緑被率で評価しました。

緑被率とは、樹林・草地、農地、園地などの緑で覆われる土地の面積割合のことで、所沢市43.0%・清瀬市36.9%・東久留米市29.2%・東村山市26.3%のようです。

6. 商業施設の充実

順位市名(駅名)
1位所沢市(所沢駅)
2位東久留米市(東久留米駅)
3位東村山市(秋津駅)
4位清瀬市(清瀬駅)

商業施設の充実については、ホームメイトの市場調査データ(2024年2月時点)から評価しました。

百貨店大型小売店小売店
所沢市4381,790
東久留米市413570
東村山市118679
清瀬市15352

7. 行政サービスの水準の高さ

順位市名(駅名)
1位東久留米市(東久留米駅)
2位所沢市(所沢駅)
3位清瀬市(清瀬駅)
4位東村山市(秋津駅)

いい部屋ネットの街の住みここちランキング2021調査の行政サービス因子の順位により評価しました。

全国順位は、東久留米市が335位、所沢市が338位、清瀬市が464位、東村山市がランク外でした。

8. 地域・街のイメージの良さ

順位市名(駅名)
1位所沢市(所沢駅)
2位東久留米市(東久留米駅)
3位清瀬市(清瀬駅)
4位東村山市(秋津駅)

いい部屋ネットの街の住みここちランキング2021調査のイメージ因子の順位により評価しました。

全国順位は、所沢市が288位、東久留米市が388位、清瀬市が520位、東村山市がランク外でした。

9. 子育て環境

順位市名(駅名)
1位東久留米市(東久留米駅)
2位清瀬市(清瀬駅)
3位所沢市(所沢駅)
4位東村山市(秋津駅)

子育て環境については、(令和3年4月時点の)入園決定率、待機児童数、医療助成金から総合的に判断しました。

入園決定率は、東久留米市が83.5%、東村山市が70.4%であり、所沢市と清瀬市は情報開示されていませんでした。

待機児童数は、清瀬市8人(0歳児数459人)、東久留米市15人(0歳児数719人)、東村山市39人(0歳児数955人)でした。所沢市は3人(0歳児2,111人)でしたが、変動が激しく、翌年は33人となっています。

医療助成金は、東京都は3市はマル乳・マル子・マル青により18歳(高校3年)まで医療費が無料です。一方、所沢市は15歳(中学3年)まで無料となっています。

子育て環境の評価は他にもある(例えば東京都は018サポートがある等)と思いますが、比較が難しいのでここでは上記のみで判断しました。

引越しニーズに対する総合評価

これまでの結果をもとに、引越しニーズに対する総合評価を実施しました。

評価方法は重み付け評価を採用し、「転居時の重視項目(9項目)」は重視されている順に9〜1ポイントの重み、「順位」は上位から順に4〜1ポイントをつけています。

所沢市
(所沢駅)
東久留米市
(東久留米駅)
東村山市
(秋津駅)
清瀬市
(清瀬駅)
1.交通利便性の良さ1位2位3位4位
2.物件の良さ1位3位3位2位
3.医療・福祉環境の充実1位4位1位3位
4.治安の良さ4位2位1位3位
5.自然環境の良さ1位3位4位2位
6.商業施設の充実1位2位3位4位
7.行政サービスの水準の高さ2位1位4位3位
8.地域・街のイメージの良さ1位2位4位3位
9.子育て環境3位1位4位2位
総合評価157点119点105点98点

冒頭で調査した各市(駅)の実力と比較すると3位と4位が逆になっていますが、全体的には大きな差はなさそうです。

清瀬市が改善すべき項目とは

改善すべき項目は「重視されている項目」「苦手な項目」の2つに大別できると考えます。

重視されている項目

転居時の重視項目TOP3を見てみると、「1.交通利便性の良さ」が4位、「3.医療・福祉環境の充実」が3位でした。

「1.交通利便性の良さ」については、電車の路線を自治体で対応するのは難しそうです。一方、「3.医療・福祉環境の充実」は改善の余地ありと思います。

「3.医療・福祉環境の充実」を3位から2位にあげることができれば、総合評価で東村山市(秋津駅)と並ぶか、越える結果となります。

苦手な項目

苦手な項目(最下位の項目)は「1.交通利便性の良さ」と「6.商業施設の充実」でした。

「1.交通利便性の良さ」については前述の通り、自治体での対応は難しそうですが、「6.商業施設の充実」は改善の余地ありと思います。

「6.商業施設の充実」を4位から3位にあげることができれば、総合評価で東村山市(秋津駅)と並ぶか、越える結果となります。

おわりに

本記事では清瀬市に足りない要素を引越しニーズの観点で好き勝手分析しました。

今後は清瀬市がどんな施策を進めているのか、調査しまとめていきたいと思います。

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