清瀬市とは、東京都の多摩地域北部に位置し、埼玉県(所沢市・新座市)に深く食い込むような形をした人口約7.5万人の都市です。
都心(池袋)まで電車で約25分という利便性を持ちながら、市域の約4割が緑地という「都心に最も近い田舎」の側面も持ち合わせています。
かつては結核療養所が集まる「医療のまち」として発展しましたが、現在はその広大な敷地が豊かな自然環境として残り、子育て世代や静かな環境を求める移住者に注目のベッドタウンとなっています。
【基本データ】清瀬市ってどこにあるの?
埼玉県に食い込む立地
地図で見ると一目瞭然ですが、清瀬市は東京都から北へ突き出すような形をしています。
北・東・西の三方を埼玉県(所沢市・新座市)に囲まれており、東京都と接しているのは南側の東久留米市のみです。

チーバくんのように例えるなら、「東京都のベロ」のような位置にあります。

「ほぼ埼玉」と揶揄されることもありますが、裏を返せば「東京都の行政サービスを受けながら、埼玉ののんびりした空気感も味わえる」という、いいとこ取りのエリアとも言えます。
池袋まで25分&有楽町線・副都心線直通
「東京の端っこだから不便」と思われがちですが、交通アクセスは非常に優秀です。
西武池袋線の清瀬駅からは、池袋駅まで準急利用で約25分前後。さらに、東京メトロ有楽町線・副都心線への相互直通運転が行われています。
- 所沢駅:約5分(西武池袋線)
- 池袋駅:約25〜30分(西武池袋線)
- 新宿駅:約45分(池袋または練馬経由)
- 渋谷駅:約50分(副都心線直通)
- 横浜駅:約70分(東急東横線直通)
朝の通勤時間帯には座れる確率の高い便もあり、都心勤務者にも好評です。
【特徴】なぜ清瀬は「病院だらけ」なのか?
結核療養所の歴史が作った「緑の街」

清瀬市を語る上で欠かせないのが、病院の多さです。
明治から昭和にかけて、清瀬市は「結核療養の地」として発展しました。当時、結核の治療には「きれいな空気」と「安静」が必要不可欠であり、武蔵野の雑木林が広がり空気が清浄だった清瀬は、療養に最適な場所でした。
現在ではその歴史こそが清瀬の財産です。
広大な療養所敷地が無秩序な宅地開発を防ぎ、結果として「都内とは思えない豊かな緑」が今も守られています。
大病院が集中する安心感

現在も市内南西部には、結核研究所を含む複十字病院や、国立病院機構東京病院など、高度な医療を提供する大病院が集中しています。
「医療のまち」としての機能は今も健在で、夜間の急病や専門的な治療が必要な際も、市内で完結できる安心感があります。これは高齢者はもちろん、急な発熱が多い小さなお子様がいる家庭にとっても大きなメリットです。
結核療養地としての歴史的な背景から、特に呼吸器系に強い病院や医師が多いのも特徴です。
【住みやすさ】市民が教える4つの魅力
市内は静かで近隣市は賑やか
清瀬市内には、歓楽施設がほとんどなく、昼夜を通して静かで、治安が良いのが特徴です。
また、市内に映画館や大型商業施設はないものの、車や電車で数分の近隣市(所沢市、新座市、東久留米市)に行けば、なんでも揃います。
「遊ぶときは隣町へ、休むときは静かな清瀬へ」という使い分けができるため、「住環境は静かな方がいいけれど、不便なのは嫌だ」という人には最適解な立地です。
交通アクセスが良い
前述の通り電車アクセスが良いのはもちろんですが、車のアクセスも良好です。
志木街道・小金井街道・新東京所沢線により、各方面へのアクセスしやすく、高速道路による地方への移動も用意です。

家賃や物件価格が安い
清瀬市は東京都内でありながら、家賃相場や土地価格は23区や近隣の市と比べても非常にリーズナブルです。
「高い家賃を払って狭い部屋に住むより、通勤時間を10分伸ばして広い部屋に住みたい」と考える層にとって、コストパフォーマンスは最強クラスです。
戸建てやマンションの購入を検討しているファミリー層にとっても、住宅価格の安さは魅力です。
私の場合は、4,600万円で4LDK(リビング20畳、各部屋5〜7畳)に住むことができました。
子育てしやすい
実際に清瀬市で子育てしているパパ目線として、以下の点で優れていると感じます。
- 保育園が入りやすい(都内トップクラス)
- 昼夜を通して治安が良い
- 東京都と清瀬市の支援制度が手厚い
- 児童センターでの遊びが充実している
緑地公園や川遊びができるスポットが身近にあるため、子供をのびのびと遊ばせることができるのも魅力です。
【デメリット】移住前に知るべき注意点
大型商業施設がない
市内にイオンモールのような大型複合施設はありません。
プレゼントを買ったり、週末にショッピングを楽しみたい場合、車や電車で10〜20分かけて近隣市へ出る必要があります。「休日のショッピング」は市外へ出るのがデフォルトです。
<週末のお出かけにおすすめのスポット>
- エミテラス所沢
- イオンモール東久留米
- イオンモールむさし村山
- ららぽーと富士見
道路が狭い箇所がある
古くからの農道がベースになっている道も多く、住宅街の中には車でのすれ違いが困難な狭い道も少なくありません。
また、主要道路である志木街道や小金井街道は、時間帯によって渋滞が発生しやすいポイントがあります。
車が汚れやすい
清瀬市は今も農地が多く残っているためか、私個人の体感ですが、車が汚れて洗車する頻度が多い印象です。
風が強い日は、畑の土埃が舞い上がるので、洗車した翌日に車が砂まみれ…というのも「清瀬あるある」です。
【エリア別】北口と南口で全く違う街の姿
清瀬駅は北口と南口で、街の空気感や住人のライフスタイルが明確に異なります。
「どちらに住むか」は、そのまま「どんな生活を送りたいか」に直結します。
北口:西友を中心とした商業エリア
北口の主役は、駅直結のクレアビルです。
西友やセリアなど、食料品や日用品がしっかりと揃っています。歩行者デッキで繋がっているため、雨の日でも濡れずに移動できるのが魅力です。
駅前広場も整備されており、スタバやドトールなどのチェーン店も充実。
「物凄い充実した買い物環境!」というほどではないですが、日常の買い物としては充分なラインナップが揃っており、平日の買い物エリアとしておすすめです。
南口:個人商店が並ぶふれあい通り
整然とした北口に対し、南口は「下町の生活感」があります。改札を出てすぐの「ふれあいど~り商店街」は道幅が狭く、常に人と自転車が行き交う独特な雰囲気を醸し出しています。
ここの主役は、北口の「西友」に対抗する激安スーパー「オーケー」です。店内が狭いうえ、夕方のレジ待ちは混雑しますが、それを補って余りある安さが魅力です。
南口にもチェーン店はありますが、個人や小規模経営のお店が多いのが特徴です。人の温かみがある「レトロ感」といえば聞こえは良いですが、個人的には少し寂れた印象もあり、「田舎感」を感じる要素になっているように感じます。
まとめ:清瀬市に向いてる人・向いてない人
最後に、移住後のミスマッチを防ぐために「清瀬市に合う人・合わない人」を、住民の独断と偏見で正直にまとめます。
こんな人には「楽園」です
- 「見栄」より「実利」を取る人:
「住所が東京なら、ブランドなんてどうでもいい。その分、広い家に住んで美味いものを安く食べたい」という合理的な考えの人には最強のコスパを誇ります。 - 静かな住環境が欲しい良い人:
清瀬市はベッドタウンとしての性質が強く、商業施設や居酒屋で賑わう都市ではありません。
逆に言えば、騒々しさがなく、静かで治安が良いとも言えます。「商業施設や居酒屋は隣駅にあれば良い」と考える人には清瀬市はもってこいの環境です。 - 新婚・ファミリー層:
清瀬市は物件価格が安い、保育園に入園しやすい、東京都の支援制度が適用される等、子育て世帯(特にこれから子供を産む世帯)にとって非常に魅力的な生活環境です。
こんな人には「苦行」かもしれません
- 徒歩圏内に繁華街や商業施設が欲しい人:
清瀬市には賑わいのある繁華街や商業施設はないので、「徒歩圏内で飲み歩きたい、遊びまわりたい」という人には向きません。 - 車を常にピカピカにしておきたい人:
前述の通り、冬から春にかけての土埃は避けられません。「洗車した翌日にうっすら砂が乗っている」ことを許せない人はストレスが溜まります。 - 「埼玉?」といじられて怒る人:
清瀬市民になると、必ず「ほぼ埼玉でしょ?」といじられます。それを「そうなんだよ、便利でしょ?」と笑って返せる余裕が必要です。
清瀬市には、華やかな商業施設も、最新のトレンドスポットもありません。
しかし、「生活に必要なものは全て揃い、余計な喧騒はない」という、絶妙な居心地の良さがあります。
公式サイトの綺麗な写真だけでは分からない、ちょっと泥臭くて、砂埃が舞う。
そんな「清瀬のリアル」が、あなたの肌に合うかどうか、ぜひ一度現地で体感してみてください。





