豪華寝台客車「夢空間」とは?歴史・特徴・現存スポットを詳しく紹介

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豪華客車「夢空間」とは?

夢空間は国鉄24系客車の改造車両

国鉄24系客車は、日本国有鉄道が1973年から1980年頃まで製造していた、寝台特急列車向けの客車(車両)です。

寝台特急「北斗星」「さくら」「あさかぜ」など、数多くの長距離寝台特急列車の車両として使われていました。

夢空間は、次世代寝台車両の可能性を探る目的で、1989年にJR東日本が国鉄24系客車をベースに新造・大規模改造した特別仕様の豪華寝台客車3両セットです。

  • ラウンジカー「オハフ25-901」
  • ダイニングカー「オシ25-901」
  • デラックススリーパー「オロネ25-901」

夢空間車両セットは、寝台特急「北斗星」や「北斗星トマムスキー号」、さらに団体臨時列車やイベント列車として運行された「夢空間北海道」「夢空間わくら」など、さまざまな列車で使用されました。

夢空間3両セットの特徴と設備

夢空間3両セットは、それぞれ異なる役割と豪華な設備を持つ特別な車両で構成されていました。

ラウンジカー、ダイニングカー、デラックススリーパーが連結され、移動時間そのものを特別な体験に変えてくれる空間となっていました。ここでは、各車両の特徴と設備を紹介します。

ラウンジカー「オハフ25-901」

ラウンジカー「オハフ25-901」は、夢空間3両セットの中で、乗客が自由にくつろげる開放的なパブリックスペースとして設計された車両です。

バーカウンターを中心に、本革張りのソファやカウンター席、ピアノなどが設置されており、車窓の景色を眺めながら飲み物を楽しんだり、他の乗客との交流やイベントが行われる特別な空間となっています。

ダイニングカー「オシ25-901」

ダイニングカー「オシ25-901」は、本格的なレストランサービスが提供できるように設計された食堂車です。

生命力あふれる緑色の外装、パリのビストロをイメージしたポストモダン調の内装、大きな窓からの開放的な景色が、展望車のような特別感を演出しています。

車内にはオープンフロアのテーブル席18席と4人用の個室があり、移動中にフレンチのフルコースを味わうことができる、夢空間ならではの“移動するレストラン”です。

デラックススリーパー「オロネ25-901」

デラックススリーパー「オロネ25-901」は、青を基調とした落ち着きのある外装で、ゆったりとくつろげる豪華寝台車両です。

エクセレントスイート(1室)は車両の約3分の1を占める広さがあり、セミダブルベッドとテレビを備えた寝室、ソファやテレビのあるリビング、さらにユニットバスや洗面台まで完備された贅沢な個室です。

スーペリアツイン(2室)はリビングスペースこそありませんが、ベッド、ソファ、テレビ、ユニットバス、洗面台などが揃っており、通常の寝台車両では味わえない上質な空間となっています。

「夢空間」の現在

老朽化などを理由に、2008年に運行された上野発札幌行きの「さよなら夢空間北斗星号」を最後に、夢空間3両セットは営業運転を終了しました。現在、これらの車両はそれぞれ各所で保存・展示されています。

ラウンジカーとダイニングカーの2両は、埼玉県の「ららぽーと新三郷」にて長らく展示されていましたが、東京都清瀬市の「清瀬中央公園」のリニューアルに伴い、2両とも清瀬市に移転される予定です。

デラックススリーパーは、東京都江東区の高級フレンチレストラン「アタゴール(A ta gueule)」の一部として、現在も活用されています。

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