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多摩は東京?神奈川?混乱の理由と歴史的背景をやさしく解説

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清瀬市について
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多摩地域ってどんなところ?

「多摩」とは

多摩地域は、東京都のうち、23区や島しょ部(伊豆諸島と小笠原諸島)を除く26市3町1村で構成される、東京都西部の広大なエリアです。

出典元:TAMA ebooks

この地域は、東京都でありながら自然が豊かで、山や川、公園などの緑に囲まれた環境が特徴です。

住宅地が多く、都心への通勤圏であることから、ベッドタウンとしても発展してきました。

また、大学や研究施設、先端企業の拠点も多く、教育・研究・産業のバランスが取れた地域でもあります。

「三多摩」との違い

「三多摩(さんたま)」とは、かつて存在した北多摩郡・南多摩郡・西多摩郡の3つの地域を指す言葉です。

一方で、「多摩地域」とは、現在の26市3町1村をまとめた呼び方です。

三多摩(北多摩・南多摩・西多摩の3郡)は、もともとは神奈川県に属していました。
しかし1893年(明治26年)、三多摩地域は神奈川県から東京府(現在の東京都)に移管されます。

その後、行政区分の整理や市町村合併などを経て、今の多摩地域(26市3町1村)が形成されました。

この歴史的な移管の流れについては、次の章でさらに詳しくご紹介します。

多摩地域の歴史

1871年:廃藩置県と府県統合

1871年(明治4年)の7月、廃藩置県により全国に1道3府302県が整備されました。そして、同年11月の第1次府県統合により、1道3府72県に再編されました。

このとき、多摩地域の大部分は神奈川県に編入され、一部の地域(多摩郡の東部)は東京府に残りました。

1878年:東多摩郡と三多摩が発足

1878年(明治11年)、地方の統治をスムーズに進めるため、明治政府は郡区町村編制法を制定しました。

これにより、全国の行政区画(府・県・郡・町・村)が整理され、東京府および神奈川県の多摩地域に以下の郡が発足しました。

  • 東京府 東多摩郡
  • 神奈川県 北多摩郡
  • 神奈川県 南多摩郡
  • 神奈川県 西多摩郡

このとき、三多摩(北多摩・南多摩・西多摩)という言葉が使われ始めました。

1893年:三多摩が東京府へ移管

1893年(明治26年)、三多摩(北多摩郡・南多摩郡・西多摩郡)は神奈川県から東京府へ移管されました。 この移管には、東京府の深刻な水道問題が大きな影響を与えています。

東京府では玉川上水を主要な水源として利用していましたが、その源流は神奈川県の三多摩地域にあり、東京府が直接水質を管理することができませんでした。これにより、コレラなどの感染症の蔓延も懸念されました。

そのため、東京府は三多摩の編入を繰り返し申請し、最終的に水源の一元管理を実現するため、三多摩は東京府に編入されました。

1896年:東多摩郡から豊多摩郡へ

1896年(明治29年)、東京府の東多摩郡は南豊島郡と合併し、東京府の豊多摩郡となりました。これにより、当時の多摩地域は以下の郡に再編されました。

  • 東京府 豊多摩郡
  • 東京府 北多摩郡
  • 東京府 南多摩郡
  • 東京府 西多摩郡

1926年:郡制廃止

1926年(大正15年)、日本全国で郡制が廃止され、地方自治体の整理が行われました。これにより、郡という単位は行政上の意味を持たなくなり、市町村がその後の行政単位として中心となりました。

多摩地域でも同様に郡制が廃止され、東多摩郡や北多摩郡、南多摩郡、西多摩郡といった郡名が消え、各地域は市町村単位に再編成されました。

町田市は神奈川県と思われがち?!

前章の歴史もあり、「多摩地域は神奈川県」という印象が今なお残っています。

なかでも、多摩地域の南部に位置する町田市は、神奈川県に大きく飛び出しています。町田市は東京都と神奈川県の境界に近いため、特に地理的に神奈川県との結びつきが強いと感じる人が多いです。

出典元:町田市 公式ホームページ

隣接する自治体は以下の通りで、東京都よりも神奈川県に接している部分のほうが多いため、神奈川県と思われがちです。

  • 東京都 八王子市
  • 東京都 多摩市
  • 神奈川県 相模原市
  • 神奈川県 大和市
  • 神奈川玄 横浜市

町田市は、その位置や交通の便から、東京都内でありながら神奈川県の一部と考えられがちですが、実際には東京都に属しています

多摩地域の市町村一覧と概要

東京都の西側に位置する多摩地域には、個性豊かな30の市町村が存在します。自然と都市機能がバランスよく共存し、住環境や観光、産業の面でも多様な魅力があります。

ここでは、多摩地域を「北多摩」「南多摩」「西多摩」の3つに分け、それぞれのエリアに属する市町村の特徴を簡潔に紹介します。

北多摩エリア:17市

多摩地域の中でも23区に隣接しており、都心へアクセスしやすい地域です。

緑地や公園も多く、都市的な暮らしと自然環境が調和しています。

  1. 清瀬市
    結核療養地としての歴史から、東京病院など医療施設が充実。都内最大級のひまわり畑もある自然豊かな街で、西武池袋線により広域へのアクセスも良好なため、ベッドタウンとして人気があります。
  2. 東村山市
    『となりのトトロ』の舞台のモデルとして知られる狭山丘陵が広がる、自然豊かな住宅都市です。市内には9つの駅があり、都心へは電車で約30分とアクセスも良好。自然と利便性を兼ね備えた、暮らしやすいまちです。
  3. 東久留米市
    自然に恵まれた街で、イオンモールなど商業施設も非常に充実。市内の湧水は「平成の名水百選」にも選ばれ、同じ水源を使った関東最大級の温浴施設『スパジアムジャポン』は多くの人が訪れる人気スポットです。
  4. 東大和市
    多摩湖や狭山丘陵などの自然と、都市インフラが共存するコンパクトな街です。西武拝島線・多摩モノレールが通り、交通の便も良好。自然の中でのびのびと子育てができる、落ち着いた住環境が魅力です。
  5. 武蔵村山市
    イオンモールむさし村山が中心的存在で、買い物やレジャーに便利です。多摩湖や野山北・六道山公園など自然も豊か。都内で唯一鉄道駅がない市として知られていましたが、多摩モノレール延伸により複数の駅が開業予定で、今後の利便性向上が期待されています。
  6. 西東京市
    2001年に田無市と保谷市が合併して誕生。西武池袋線と新宿線の2路線が使え、都心へのアクセスに優れたベッドタウンです。世界最大級のプラネタリウムドームを備える多摩六都科学館など、家族で楽しめる施設も充実しています。
  7. 小平市
    日本で初めてブルーベリーの商業栽培が始まった地で、日本三大ブルーベリー産地のひとつ。夏には他県から観光客が訪れ、ブルーベリー狩りが人気です。西武新宿線・拝島線・多摩湖線が利用でき、自然と都市機能が調和した穏やかな住宅都市です。
  8. 昭島市
    昭島駅北口の都市型リゾート『東京・昭島 モリパーク』が有名。エリア内には大型商業施設モリタウンや日本初の本格アウトドア体験型施設モリパーク アウトドアヴィレッジがあり、駅近でキャンプ体験などユニークな過ごし方が楽しめます。
  9. 武蔵野市
    吉祥寺を中心に高い人気を誇る街。井の頭恩賜公園やジブリ美術館など全国的に知られる観光地があり、商業施設やカフェも充実。住みたい街ランキングでは常に上位にランクインしています。
  10. 小金井市
    大学が多い文教都市で、首都圏のベッドタウンとしても人気。都立小金井公園は子供広場もある広大な公園で、園内の江戸東京たてもの園は全国的に有名。桜の名所として春には他県からも多くの人が訪れます。
  11. 国分寺市
    東京都の中央部に位置し、中央線・武蔵野線・西武線が交差する多摩地域の交通の要所。駅直結の大型商業施設も充実しており、住みたい街ランキングでは都内でも上位に入る人気の住宅都市です。
  12. 立川市
    国営昭和記念公園をはじめとする都市型公園が魅力。多摩エリア最大級の商業施設、ららぽーと立川立飛や日本最大級のグランピング施設があり、中央線特快停車駅で都心へのアクセスも良好です。
  13. 国立市
    東京都で2番目に小さい市で、市名は国分寺駅と立川駅から1字ずつ取って名付けられました。学園都市として知られ、駅周辺は学生が多く活気があります。一方、駅から離れると閑静な住宅街が広がり、落ち着いた雰囲気が魅力です。
  14. 狛江市
    東京都で最も面積が小さい市ですが、都心へのアクセスに優れ、暮らしやすい住宅都市として人気です。目立った観光資源は少ないものの、自然と都市の利便性が調和した落ち着いた住環境が魅力です。
  15. 三鷹市
    ジブリ美術館で全国的に知られる市で、他県からの観光客も多く訪れます。井の頭恩賜公園の一部を含み、自然と文化の調和が魅力。中央線で新宿まで20分以内とアクセスも良く、落ち着いた住宅地としても人気があります。
  16. 調布市
    映画やテレビの撮影地として知られ、「映画のまち」としても有名。味の素スタジアムではJリーグの試合や大型イベントが行われ、多摩川沿いの自然も豊か。都心へのアクセスも良く、暮らしやすい都市として人気です。
  17. 府中市
    東京競馬場(日本ダービー開催地)や大國魂神社のくらやみ祭りで全国的に知られる伝統ある街。トップリーグチームの本拠地もあり「ラグビーのまち」としても有名。再開発が進み、駅前の商業施設も充実しています。

南多摩エリア:5市

八王子市や町田市を中心に多摩地域の商業施設が充実したエリアで、都心や神奈川県へのアクセスにも恵まれています。

また、多摩地域で最も大学の数が多く、若者やファミリー層に人気の活気ある地域です。

  1. 八王子市
    多摩地域最大の都市であり、都市機能が充実しています。高尾山などの自然景観も良く、観光地としても知られています。また、大学や研究機関が多く、学術都市としての一面も持っています。
  2. 町田市
    東京都の南端に位置し、神奈川県に接する利便性の高い都市です。新宿・横浜・箱根など各方面へのアクセスが良く、大型商業施設も充実。買い物やグルメを楽しめる街として人気があります。
  3. 日野市
    東京都のほぼ中央に位置し、新撰組のゆかりの地として知られる歴史ある街です。新宿まで電車で約30分と利便性が高く、多摩川や浅川など自然も豊か。治安の良さから、家族にも人気があります。
  4. 多摩市
    多摩ニュータウンを中心に発展した、高機能で自然豊かな都市です。市の面積に対する都市公園の比率が高く、四季を感じながら豊かな生活が送れます。小田急線の始発駅で、通勤時に座って出勤できる点も人気です。
  5. 稲城市
    よみうりランドがあり、多摩ニュータウン東側に位置する緑豊かな街です。機動戦士ガンダムのモビルスーツデザインを手がけた大河原邦男氏の地元としても知られ、彼とのコラボによるユニークな町おこしが特徴です。

西多摩エリア:4市3町1村

東京都の約3分の1を占め、面積の約8割が森林という自然豊かな地域です。

奥多摩の山々や多摩川をはじめ、都内有数のアウトドア・レジャースポットが点在しており、観光資源や伝統産業も豊富です。

  1. 青梅市
    西多摩エリア最大の市。多摩川や御岳山など自然に恵まれ、ラフティングやBBQなどアウトドアが充実しています。JR青梅線で立川・新宿方面と直結しており、観光地でありながら都心からのアクセスも良好です。
  2. 福生市
    米軍横田基地があり、国際色豊かな雰囲気が漂う街です。「子育てするなら ふっさ」をスローガンに、子育て支援にも力を入れており、『共働き子育てしやすい街ランキング2024』では全国3位(都内1位)に選ばれました。
  3. 羽村市
    玉川上水の最上流にある羽村取水堰を擁し、水源地ならではの清らかな水が魅力です。市内の公園には給水スポットも整備されており、『共働き子育てしやすい街ランキング2022』では全国4位(都内2位)に選ばれました。
  4. あきる野市
    東京サマーランドで知られるあきる野市は、秋川渓谷など豊かな自然にも恵まれた街です。川遊びやトレイルラン、ハイキングなど、多彩なアウトドアを気軽に楽しめるのが魅力です。
  5. 奥多摩町
    東京都の最西端に位置し、市区町村で最大の面積を誇ります。全域が秩父多摩甲斐国立公園に含まれ、登山や温泉、キャンプなどが楽しめる自然豊かなアウトドア観光の拠点です。
  6. 瑞穂町
    『となりのトトロ』の舞台のモデルとされる狭山丘陵が広がる自然豊かな町です。日本三大銘茶のひとつ、狭山茶の産地としても知られています。
  7. 日の出町
    秋川渓谷や町営の温泉施設が人気の自然豊かな町です。西多摩最大級のイオンモールもあり、自然と利便性が両立した住環境が魅力です。
  8. 檜原村
    島しょ部を除き都内で唯一の村で、面積の9割を森林が占めています。東京都で唯一「滝百選」に選ばれた払沢の滝や、地元産木材を使った『森のおもちゃ美術館』など、自然体験を楽しめる観光地として人気です。
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